2015.12.07
皆様こんにちは。今年、皮膚・排泄ケア(WOC)認定看護師となりました、根本良平です。私は泌尿器科・胃腸外科・救急科の混合病棟である東13階病棟に勤務しており、創傷(Wound)・ストーマ(Ostomy)・失禁(Continence)すべての分野のケアに関わっています。
今回は、少しだけ失禁(Continence)ケアについてお話したいと思います。近年、社会の高齢化、食生活の欧米化などに伴って、がんが増加しています。その中でも前立腺がんは、東北大学病院における男性の癌登録集計数の15.8%で第1位となっています。また最近では先進医療として、ロボット支援による前立腺全摘術が行われていますが、手術により尿道括約筋の働きに影響を与えるため、合併症として高い確率で尿失禁が起こります。尿失禁の多くは1年以内に改善することが多いのですが、日常生活でパッドやオムツを使用することは、患者さんの心理に嫌悪感が生じて自尊感情の低下やうつ的気持ちを生じ、引きこもりの生活となることも少なくありません。そのため、看護師は失禁が生じた患者さんの心を支え、骨盤底筋体操の指導、術後生活の質を改善するための適切な用具を使うアドバイスを患者さんとご家族へ提供しています。
下の画像は、東13階病棟で骨盤底筋体操と退院時指導のパンフレットを作成し、実際に使用しているものの一部です。
最近の出来事として、
先日、第19回宮城排尿障害研究会が平成27年10月31日(土)に仙台市内で開催され、私も参加してきました。テーマは「賢く選ぼう、在宅と施設のカテーテル管理」として大変勉強になりました。第20回宮城排尿障害研究会は、まだテーマは決定していないようですが、平成28年10月15日(土)を予定しているようです。是非、興味のある方は参加してみて下さい。終了後の懇親会もあり楽しいですよ。
次回は、糖尿病看護認定看護師の矢野晶子さんです。お楽しみに!!
2015.12.03
認定・専門看護師会主催「第2回公開講座」が開催されました
9月に引き続きまして11月14日(土)に、今年度第2回目の認定・専門看護師会主催公開講座が行われました。
「東北大学病院看護師が介入した地域連携~認定・専門看護師としてできること」と題して、地域で活動している看護師、訪問看護師や院内看護師を対象に4分野の認定看護師から事例報告をしました。
1.がん性疼痛看護CN
「在宅療養に向けて皮膚排泄ケア認定看護師とがん性疼痛看護認定看護師が協同した事例」
2.乳がん看護CN
「妊娠期乳がん患者の療養を支える多職種の力」
3.集中ケアCN
「集中ケア分野における地域連携」
4.脳卒中リハビリテーション看護CN
「地域への教育活動を通した多職種連携」
そして後半は、認知症看護CNからトピックスとして「退院支援を進めていくための認知症を悪化させないケア」としてお話ししました。
普段の看護場面において疑問や悩みを持っていらっしゃる方も多いと思います。この公開講座の内容をみなさんの看護実践のヒントになれば幸いです。
当日参加していただきました皆様、有難うございました。「第3回はいつですか?」という質問を受けましたが、今年度は2回で終了です。公開講座は今後も企画しますので、来年度も是非ご参加ください。
2015.11.30
はじめまして、こんにちは。小児看護専門看護師の佐山恭子です。
私は現在、西11階病棟(脳神経外科・神経内科)に勤務しています。
小児看護専門看護師が西11階に?とお思いになる方も少なからずおられるのではないでしょうか。みなさんは「AYA世代」という言葉を聞いたことがありますか?AYA世代:Adolescent and Young Adultの略で、小児がんと成人がんの境界領域の世代15歳~29歳を指します。大人の入り口で発症した患者や、小児期に発症して思春期を迎える患者について、欧米では「AYA世代」と呼び、大人とも子どもとも異なる独立した世代として扱う考え方が定着してきました。この時期は小児がんと成人がんの境界にあり、実情の把握が進んでいないうえ、進学、就職、結婚などに関する心理面の支援も必要になることがとても多いのです。思春期・若年成人がんには夢や希望を奪いかねない、たくさんの局面が存在します。診断・治療・サバイバーシップを通してこの世代の患者が直面する問題について、身体面、心理社会面および生涯発達の観点から理解を深め、どのような看護が必要なのかを考えています。さらに思春期・若年成人がん患者・サバイバーのトータルケアにおいて、小児・成人の医療者の協働は大きな課題となっています。混合病棟に勤務する小児看護CNSとして看護職がどのように連携し協働するのかについて考え、私自身が懸け橋になれたらと思っています。
そればかりではありません。当病棟においても若くして終末期となる患者の残される子どもたちのフォローや、遺伝性疾患をもつ子ども達も多く、混合病棟とはいえニーズがありとてもやりがいを感じながら、日々の勤務や看護研究、勉強にと日々追われています。
混合病棟で同じ悩みを抱えているみなさん、いつでもご相談くださいね。お待ちしています。
次回は、皮膚・排泄ケア認定看護師の根本 良平さんです。
2015.11.20
みなさん、はじめまして。私は、昨年12月にがん看護専門看護師(OCNS)の認定を受け、4月から東14階血液・免疫科病棟に勤務しています。
OCNSの活動として力を入れて取り組んでいるのは、日本緩和医療学会が提供する『ELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラム』の普及活動です。これは、エンドオブライフケアを包括的に学ぶ教育プログラムで、今年宮城県では宮城大学、石巻赤十字病院で2回開催され約100名の方が受講されました。今後の医療状況を鑑み、緩和ケアに関する看護師の関心の高さを実感しています。来年は、2月に東北大学で行われる予定です。是非、ご参加ください。
次に、東北がん看護専門看護師会が主催する『がん看護コミュニケーションスキルトレーニング研修会』の活動があります。このプログラムはがん患者、家族を理解した自然なコミュニケーションを目指し講義とロールプレイから構成されています。これまで、患者・家族との会話で返答に困ったり、コミュニケーションの難しさを感じた経験はないでしょうか?コミュニケーションにもちょっとしたコツがあります。来年も研修会を開催する予定ですので、興味のある方は参加していただきたいです。
さらに、病棟ではカンファレンスを通じて、がん患者・家族の情報の整理を行いながらケアを検討し、スタッフの成長を促進できるような支援を心掛け活動を行っています。
院内におけるOCNSの認知度はまだ引くい状態ですが、がん看護でちょっと困ったら、気楽に声をかけていただけると嬉しいです。是非、がん看護ケアの一つのツールとして活用してください。宜しくお願いいたします。
次回は、小児看護専門看護師の佐山恭子さんです。
2015.11.02
こんにちは。集中ケア認定看護師の堀川長子です。
集中ケア分野では、主にICUや術後急性期の患者さんを対象とし、早期回復へ向けての援助を行っています。
私は平成24年から3年間、集中ケア認定看護師として宮城県内の病院に出向し、救急救命センターの立ち上げに参加してきました。他院での経験を通して、今回は東北大学病院を外から眺めてみたいと思います。
私の出向したみやぎ県南中核病院は、仙南地区の中規模急性期病院でした。救命救急センターのICUで勤務しながら、ICU・HCUのスタッフ育成や、院内の看護師研修、呼吸サポートチームの立ち上げなどに携わりました。特定機能病院である東北大学病院に対して、高齢者や入退院を繰り返す患者さんが多く、小規模ながら地域に密着した病院でした。救命救急の現場においては、より高度な治療のために東北大に患者搬送することが度々ありました。地域の病院にとって東北大学病院は高度先進医療の要であり、患者さんやご家族から絶大な信頼がありました。まさに、「ここに東北大学病院あり」ですね。またその一方で、治療を終えた患者さんを受け入れる地域の病院施設があるからこそ、東北大が特定機能病院としての役割を果たせるのだと感じました。大学病院と地域の病院は、役割分担しながら、互いに支え合っているのですね。
今年の4月に東北大学病院に復職し、東8階病棟の肝・胆・膵外科、胃腸外科の病棟で勤務しております。現在でも、県南中核病院の院内研修を請け負うことで交流させて頂いております。超急性期を専門とする集中ケアの分野では、在宅患者に直接関わることはありません。しかし、こうした地域の病院施設との関わりを通して、集中ケアの分野においても認定看護師が地域に貢献していけたらいいと思います。
今月の11月14日の土曜日に、認定・専門看護師による公開講座を開催します。今回のテーマは「東北大学病院看護師が介入した地域連携~認定・専門看護師としてできる事~」です。私たちが実際に地域連携として関わった事例などを紹介させて頂きますので、みなさま是非お越し下さい。認定・専門看護師一同、お待ちしております!
次回は、がん看護認定看護師の、横田則子さんです。
どんなお話がきけるでしょうか。