国立大学法人東北大学 東北大学病院看護部

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認定・専門看護師リレー 66 がん放射線療法看護認定看護師 門脇 美佳さんです

 みなさん、こんにちは。がん放射線療法看護認定看護師の門脇美佳です。
私は、西10階病棟の耳鼻咽喉・頭頸部外科病棟に勤務して、5年になります。病棟スタッフと協働して、臨床にあったオリエンテーション用紙や放射線皮膚炎へのケア表などの看護ツールを作成して活用してまいりました。
  「放射線」と聞くと怖いというイメージで、「放射線治療」自体は、手術療法、化学療法と比較して低侵襲で有害事象も少ないというイメージをお持ちの方が多く、「こんなに治療がつらいと思わなかった」などという声も以前は聞かれていましたが、現在は、出現が予測される有害事象の症状をその程度、時期、対処法などを丁寧にオリエンテーションすることで、長期間にわたる放射線治療を受ける患者様のセルフケア能力が向上していると感じています。
 今回は、「放射線」についてちょっとした小話をいたします。放射線は、目にみえず、匂いもなく、音もしません。線量によっては人体に大きな影響を与えます。私たちは、地球に住んでいて自然放射線をあびることは避けられません。普通に生活していても、年間およそ2.4ミリシーベルト放射線をあびているのだそうです。46億年前に地球誕生から現在まで、わたしたちは、空からの宇宙線、地中からのラジウム・ラドンなど、さまざまな放射線を浴びていることになります。高度の高い場所に行けば行くほどたくさん降り注いでいることが知られています。高度1万メートルを飛ぶジャンボジェット機に乗ってニューヨークまで往復すると1回でおよそ0.2ミリシーベルトになるそうです。それでも人間はおよそ70~80年、生き続けるのですから、放射線のダメージを修復するシステムを、生命は何かしら身につけていると言われています。
 放射線治療は、高精度技術がめざましく発展しています。腫瘍に線量が集中するように、照射の範囲、線量、照射に要する時間などを決め、緻密な計算の上で治療を行っています。
今回、3月に仙台国際センターにて高精度放射線外部照射部会学術大会が開催されます。マニアックなお話が聞けると思います。ご興味のある方は是非いらしてください。
 次回は、乳がん看護認定看護師の金澤麻衣子さんです。お楽しみに!

  • カテゴリー:その他
  • 投稿日:2017.02.28 00:00

認定・専門看護師リレー 65 がん性疼痛看護認定看護師 武田 真恵さんです

こんにちは。がん性疼痛看護認定看護師の武田真恵です。
 
2年目に入った緩和ケアセンターでの活動について報告します。
今年度から全てのがん患者を対象として苦痛のスクリーニングを実施しています。外来患者は診察する医師に、入院患者は看護師に電子カルテへの入力をお願いしています。
 当院ではがん患者の身体的苦痛のみではなく、精神心理的な苦痛、社会的な苦痛をスクリーニングするため、医療者評価のSTAS-Jの東北大学病院バージョン5項目『疼痛、呼吸困難、嘔気嘔吐、不眠、不安』と、相談事項として経済面、在宅療養のチェックを行なっています。ここでスクリーニングされた患者を緩和ケアセンターで確認し、STAS高得点者に対して苦痛が緩和されるように対応しています。
 私は入院患者の高得点者を担当し、STAS3以上ついた場合病棟に出向き担当している看護師さんと話し合うようにしています。その上で病棟での対応でよいのか、緩和ケアチームに依頼をもらったほうがよいのか、放射線科や精神科など専門分野への紹介が必要なのかなどアドバイスをおこなっています。
 苦痛のスクリーニングを行なうようになり、緩和ケアチームへの依頼件数も増えています。本来苦痛のスクリーニングはがん患者のみを対象としていますが、非がん患者であっても「高得点を付ければ緩和ケアセンターの看護師が病棟に来てくれて相談できる」と言ってくれる看護師さんもいます。早い段階から患者の苦痛を拾い上げ、対処するためのツールとして苦痛のスクリーニングは役立っていると感じています。患者ががん患者か非がん患者かの見極めはカルテの患者バーの右上にCanRと表示されたらがん患者です。また緩和ケアチームはがん患者のみではなく非がん患者の対応もしていますので、緩和医療科外来(☎7768)へ連絡してください。
 これからもみなさまからの相談を受けながら活動していきたいと思います。
 
次は、放射線看護認定看護師の門脇美佳さんです。どんなお話しが聞けるか楽しみです。
 
 

  • カテゴリー:その他
  • 投稿日:2017.02.22 00:00

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