国立大学法人東北大学 東北大学病院看護部

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認定・専門看護師リレー68 がん看護専門看護師杉山育子さんです

初めまして、がん看護専門看護師の杉山育子です。
私は、2016年12月にがん看護専門看護師の認定審査に合格しました。
これまで岩手にある大学病院の脳神経外科の病棟で働いてきました。
そこでの患者さんとその家族との関わりが、専門看護師の資格を取得するきっかけとなりました。
 
平成27年4月から西15階病棟(腫瘍内科、加齢・老年科、消化器内科)で働いています。専門看護師になるための実習を大学病院でおこない、その経験を通してこの病院で働きたいと思い就職を希望しました。
西15階病棟の腫瘍内科の患者さんは、食道癌・胃癌・大腸癌・肉腫等を中心とした固形腫瘍に対する薬物療法や放射線療法を受ける方、症状の緩和を目的とした方、終末期の方もいらっしゃいます。
 
              写真は、週一回行われる多職種 カンファレンスの様子
      です。このカンファレンスでは、患者さんやその家族に
      対する援助を考えるために、病棟看護師をはじめ、
      外来看護師、緩和ケアチーム、地域医療連携室の担当、 
      医師、薬剤師など様々なスタッフが参加し、治療内容、
      今後の方針や看護援助について情報を共有します。
 
私も病棟スタッフの一員として、患者さんが「その人らしく生きる」を支えられるように関わっています。

大切な誰かが「がん」になると、
その周りの人々も様々な影響を受けます。
モビール(風などで揺り動かすと、複雑で予想しがたい形に動く)
のように、家族にも精神的な負担が生じます。
家族の精神的な負担は患者の精神状態にも
影響すると言われており、相互に影響し合っています。
皆さんにも是非、面会に来ている家族へ感謝やいたわりの言葉を伝える、
患者さんの様子について共有する、家族の体調に目を向けるなど、
日々の関わりの中にプラスしてもらえると嬉しいです。
 

  • カテゴリー:その他
  • 投稿日:2017.04.11 00:00

認定・専門看護師リレー67 乳がん看護認定看護師金澤麻衣子さんです

こんにちは。乳がん看護認定看護師の金澤麻衣子です。
 
私は、2015年から緩和ケアセンターに所属しています。
普段は、乳がんの患者さんだけでなく、がん患者さんの苦痛のスクリーニングの周知活動や、がん看護外来を担当しています。がん看護外来では、患者さんやそのご家族の治療に伴う苦痛や療養上の不安に対して、相談に応じたりしています。
 
乳がん患者さんの相談では、手術、薬物や放射線治療による外見のお悩みが多いです。外見のお悩みには、手術を受けた後の傷跡や、乳房の形の変化、脱毛や爪の変化、皮膚の変色等が挙げられます。
乳がんの患者さんは、とりわけ仕事で役割が大きい、あるいは子育ての真っ最中の年齢に罹患することが多く、子供や親、職場への影響を考えながら、自分の病気に対して対処しなければなりません。乳房を喪失したことで子供とお風呂に入れない、接客業で手指を出しづらい、肌がくすみシミが増えて顔色が悪く見える…、外見の変化は、生活をする上で精神的にも経済的にもストレスになります。
当院では、このようなお悩みに少しでも対応しようと、昨年より月1回の“乳がんサロン”を立ち上げました。ソシオエステティシャンによるお肌や頭皮のお手入れ方法について学んだり、ピアサポーターのファシリテートのもとおしゃべり会を開催しています。会に参加した方からは、“肌が明るくシミが薄くなった”“他の方の体験を聞き、自分一人でないと思えた”などの声をいただいています。一方平日の午後の開催で、治療やお仕事で都合が合わず参加できないという声もいただいています。そのような方には、乳がん看護外来で個別の相談も受け付けております。当院では、治療によるお悩みをなるべく少なく、自分らしく過ごせるように、できる限りのお手伝いを考えていきます。(写真は化学療法後の爪障害に対してお手入れしたものです)
 
※ソシオエステティックとは、人道的・福祉的観点から精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている人に対し、医療や 福祉の知識に基づいて行う総合的なエステティックです。エステティックの施術によって人を癒し、励まし、QOL(生活の質)の向上に寄与し、その人が本来の自分を取り戻すために支援することを目的としています。

         
 

  • カテゴリー:その他
  • 投稿日:2017.03.24 00:00

認定・専門看護師リレー 66 がん放射線療法看護認定看護師 門脇 美佳さんです

 みなさん、こんにちは。がん放射線療法看護認定看護師の門脇美佳です。
私は、西10階病棟の耳鼻咽喉・頭頸部外科病棟に勤務して、5年になります。病棟スタッフと協働して、臨床にあったオリエンテーション用紙や放射線皮膚炎へのケア表などの看護ツールを作成して活用してまいりました。
  「放射線」と聞くと怖いというイメージで、「放射線治療」自体は、手術療法、化学療法と比較して低侵襲で有害事象も少ないというイメージをお持ちの方が多く、「こんなに治療がつらいと思わなかった」などという声も以前は聞かれていましたが、現在は、出現が予測される有害事象の症状をその程度、時期、対処法などを丁寧にオリエンテーションすることで、長期間にわたる放射線治療を受ける患者様のセルフケア能力が向上していると感じています。
 今回は、「放射線」についてちょっとした小話をいたします。放射線は、目にみえず、匂いもなく、音もしません。線量によっては人体に大きな影響を与えます。私たちは、地球に住んでいて自然放射線をあびることは避けられません。普通に生活していても、年間およそ2.4ミリシーベルト放射線をあびているのだそうです。46億年前に地球誕生から現在まで、わたしたちは、空からの宇宙線、地中からのラジウム・ラドンなど、さまざまな放射線を浴びていることになります。高度の高い場所に行けば行くほどたくさん降り注いでいることが知られています。高度1万メートルを飛ぶジャンボジェット機に乗ってニューヨークまで往復すると1回でおよそ0.2ミリシーベルトになるそうです。それでも人間はおよそ70~80年、生き続けるのですから、放射線のダメージを修復するシステムを、生命は何かしら身につけていると言われています。
 放射線治療は、高精度技術がめざましく発展しています。腫瘍に線量が集中するように、照射の範囲、線量、照射に要する時間などを決め、緻密な計算の上で治療を行っています。
今回、3月に仙台国際センターにて高精度放射線外部照射部会学術大会が開催されます。マニアックなお話が聞けると思います。ご興味のある方は是非いらしてください。
 次回は、乳がん看護認定看護師の金澤麻衣子さんです。お楽しみに!

  • カテゴリー:その他
  • 投稿日:2017.02.28 00:00

認定・専門看護師リレー 65 がん性疼痛看護認定看護師 武田 真恵さんです

こんにちは。がん性疼痛看護認定看護師の武田真恵です。
 
2年目に入った緩和ケアセンターでの活動について報告します。
今年度から全てのがん患者を対象として苦痛のスクリーニングを実施しています。外来患者は診察する医師に、入院患者は看護師に電子カルテへの入力をお願いしています。
 当院ではがん患者の身体的苦痛のみではなく、精神心理的な苦痛、社会的な苦痛をスクリーニングするため、医療者評価のSTAS-Jの東北大学病院バージョン5項目『疼痛、呼吸困難、嘔気嘔吐、不眠、不安』と、相談事項として経済面、在宅療養のチェックを行なっています。ここでスクリーニングされた患者を緩和ケアセンターで確認し、STAS高得点者に対して苦痛が緩和されるように対応しています。
 私は入院患者の高得点者を担当し、STAS3以上ついた場合病棟に出向き担当している看護師さんと話し合うようにしています。その上で病棟での対応でよいのか、緩和ケアチームに依頼をもらったほうがよいのか、放射線科や精神科など専門分野への紹介が必要なのかなどアドバイスをおこなっています。
 苦痛のスクリーニングを行なうようになり、緩和ケアチームへの依頼件数も増えています。本来苦痛のスクリーニングはがん患者のみを対象としていますが、非がん患者であっても「高得点を付ければ緩和ケアセンターの看護師が病棟に来てくれて相談できる」と言ってくれる看護師さんもいます。早い段階から患者の苦痛を拾い上げ、対処するためのツールとして苦痛のスクリーニングは役立っていると感じています。患者ががん患者か非がん患者かの見極めはカルテの患者バーの右上にCanRと表示されたらがん患者です。また緩和ケアチームはがん患者のみではなく非がん患者の対応もしていますので、緩和医療科外来(☎7768)へ連絡してください。
 これからもみなさまからの相談を受けながら活動していきたいと思います。
 
次は、放射線看護認定看護師の門脇美佳さんです。どんなお話しが聞けるか楽しみです。
 
 

  • カテゴリー:その他
  • 投稿日:2017.02.22 00:00

認定・専門看護師リレー 64 摂食・嚥下障害看護認定看護師 佐藤 智子さんです

  皆様、はじめまして。今年度から、摂食嚥下障害看護認定看護師資格を取得した佐藤と申します。現在、西10階病棟に所属し、頭頸部外科の摂食嚥下障害をもつ患者さんに関わらせて頂いています。
 月1回、最終週の月曜日に嚥下カンファレンス・勉強会があり、嚥下内視鏡や嚥下造影の画像を用いての事例検討や、医師、歯科衛生士学院の先生、言語聴覚士の講演や学会報告などが行われています。興味のある方は是非一度いらしてみて下さい。お待ちしています。
 さて、皆様にとって、食べることは、どんな意味を持つでしょうか。前回の北野さんのお話にある通り、多くの意味を持ちます。自身の幸福感、人との絆や文化にもなり、人間にとって尊厳に関わるものです。しかし、摂食嚥下障害を持つ人にとっては、誤嚥や窒息など大きなリスクが伴います。人は二足歩行と言語を手に入れた一方で、誤嚥というリスクを背負うことになりました。高齢社会となり、老化という現象が加わったことにより、その問題は大きくなっています。ですから、安全に口から食べ続けることに支援が必要になり、摂食嚥下障害ケアの必要性が高まりました。その支援は、疾患、栄養状態や筋力、認知機能、呼吸状態、口腔内環境、生活背景なども踏まえた、チーム医療のもとでのオーダーメイドが必要であり、食べられる口に整えることから始まると、私は考えています。
 認定看護師として、スタートラインに立ったばかりの私ですので、皆様と一緒に、患者さんの「安全に口から食べ続ける」に力を尽くしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 ところで、先日、耳鼻科のどんと祭の裸参りに参加させて頂きました。和紙に5円玉を挟んでくわえたまま大崎八幡宮まで歩くのですが、この和紙を保持するのに、口輪筋をはじめとする筋肉たちがプルプルしてしまって、とても大変でした。「こんなに・・」と、自分の口輪筋がどれほど衰えているか思い知らされました。皆様、顔や頸部の筋肉たちは、美容の他、摂食嚥下にとっても大切なものです!鍛えましょう!

次回はがん性疼痛看護分野の武田真恵さんです。今から武田さんのお話がとても楽しみです。
 
  

  • カテゴリー:その他
  • 投稿日:2017.01.30 00:00

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