2016.09.12
みなさん、こんにちは。がん性疼痛看護認定看護師の齋藤 明美です。
現在は、東7階婦人科・乳腺内分泌外科の病棟に勤務しています。ここは、がんの診断から手術・化学療法・放射線の治療や終末期の患者さんが入院しています。さらに不妊治療も行っています。
みなさんは、がん性疼痛看護と聞くと、どんなことをイメージしますか。最初にイメージするのは、薬剤を使用し身体的な痛みの軽減、緩和と考えると思います。その通りです。それは、身体的な痛みがあると、気持ちの落ち込みやADLの低下など日常生活に影響を及ぼすため早急に対応することが重要だからです。そして、身体的な痛み以外にも、これからどうなっていくのかという不安や家族の事、仕事が続けられるかという事やなぜ自分ばかりこのような病気になったのかというさまざまな痛みの緩和にも関わっていくことが必要です。どこの部署でもこのような関わりが必要であり、みなさんも実践されていると思います。当部署では、このようなさまざまな痛みに対応するために患者カンファレンスを週1回行っています。このカンファレンスの中で治療方針や現在の症状コントロールで良いのか、退院に向けて自宅での生活は大丈夫かなど、退院後どのような支援が必要か、どんな資源が利用できるのかを調整しています。メンバーは、医師・看護師・地域医療連携センターの看護師・MSW・緩和ケアチームの医師・看護師です。下記の写真が病棟での患者カンファレンスの様子です。このように他職種の方への相談や緩和ケアチームへ繋ぐなどのお手伝いをさせて頂いています。
がんに関する事以外でも、どこに相談したらよいかわからないなどの事があるときにはいつでも相談ください。一緒に考えていきたいと思います。
またAOBAナースプログラム「がん看護」や他施設の講師、院内の勉強会なども行っています。
次回は、新生児集中ケア認定看護師の加藤 早奈恵さんです。どんなお話が聞けるのか楽しみです。
2016.08.29
こんにちは。新生児集中ケア認定看護師の大川直子です。今回は母乳育児支援についてお話しします。
ご存じかとは思いますが、母乳は母子お互いに利点のある栄養方法です。そのため全国的に助産師、看護師が妊娠中から関わりをもってすすめています。しかし、出生後すぐに、病気のために母乳育児支援を受けるまもなく当院に入院・転院してくるお子さんや、出産後直接授乳が順調でも治療のために、一時的に母乳が飲めない状態のお子さんも少なくありません。そのようなお子さんが、状態が安定し、お口から母乳を飲ませてみましょう、となったときに「飲ませられません」の状態を引き起こさないようにしたいと思っています。そのため、搾乳が必要な時期には、より効果的な搾乳法、回数、タイミング、分泌を増やすためのコツなどに気をつけてケアを行っています。また、直接授乳が可能となる時期にはいろいろな視点で看ていくようにしています。
「授乳・離乳の支援ガイド」は2008年に厚生労働省が策定した文書ですが、その中に「母乳育児を継続するために、困ったときに相談できる場所づくりや仲間づくりなど、社会全体で支援しましょう」と書かれています。入院中もそれを途絶えさせてはいけないと思います。お母様たちは「搾乳が上手に出来ない」「おっぱいを上手にのませることができない」とご自分を責めてしまうことや、乳房のトラブルのため痛みで眠ることができない状態でも我慢してしまうことが少なくありません。それほどお母様たちは「自分より子どもの方が大切」なのです。そのようなお母様たちの力になって母乳育児を楽しんでもらえるように十分な支援をしていきたいと思います。
2016.08.12
皆さん こんにちは。救急看護認定看護師13年目の設楽恵子です。
今回は、昨年(2015年)発表された救急蘇生のガイドラインについて書こうと思います。
救急蘇生のガイドラインは海外、国内でも5年ごとに更新されていて、最新のガイドラインは2015年の秋に発表されました。もう少し前に戻りますが、2010年のガイドラインの時は大きな変更点がありました。みなさん、以前は一次救命処置の順番は「A(気道)-B(呼吸)-C(胸骨圧迫)」と覚えていたと思いますが、最初の胸骨圧迫をまでの遅延を短縮するために「C(胸骨圧迫)-A(気道)-B(呼吸)」に変更になったのが2010年です。それから5年後の最新のガイドラインは「C-A-B」のままです。2010年はCの部分の胸骨圧迫の推奨するテンポが100回/分でしたが、2015年は100~120回/分に変更になりました。成人に対する胸骨圧迫の深さも「5cm以上」から2015年は「5~6cm」と上限が加わっています。ここで、「胸骨圧迫はなぜするのか?」ということについて少し説明をします。胸骨圧迫は、胸腔内圧の上昇と心臓への直接圧迫によって止まっている心臓の代わりに心臓からの血流を作り出して重要な心臓と脳への血流と酸素供給を行うためにしています。極端に早いテンポの圧迫は、圧迫の深さが不十分になるため、胸骨圧迫のテンポと深さに上限が加わりました。しかし、圧迫が深くなるより浅くなる傾向があるので「胸骨圧迫はしっかり押しましょう!」と研修の時はお話しています。
人が目の前で倒れた時・・・、そんな場面はない方がよいのでしょうけれど、しなければならない時に新しいエビデンスに基づいた救命処置が実践できるように定期的にトレーニングを受けましょう(^^)
写真は当院屋上ヘリポートからの景色です。(写真は春に撮影したので残雪があります)
現在ヘリポートは、秋から始まる宮城県ドクターヘリ運航にむけて改修中です。
次回は、新生児集中ケア認定看護師の大川直子さんです。お楽しみに~!
2016.08.01
星陵会庶務部編集の「星陵会だより」です!
星陵会だより8月号はこちらです!
2016.07.19
皆さん、こんにちは。不妊症看護認定看護師の髙橋恵美子です。
来る9月11日(日)、星陵オーディトリアムにおいて「第14回日本生殖看護学会学術集会」を開催しますので、今回はその紹介をさせていただきます。
本学術集会を東北地方で開催するのは今回が初めてです。さらに、東日本大震災から丸5年の節目の年に宮城県で開催するということもあり、学術集会メインテーマに「東日本大震災から5年、被災地から発信する生殖看護」を掲げ、サブテーマを「みんなで始めよう!自然災害への備え」として現在 学術集会開催準備を進めています。
皆さんもご存じのとおり東日本大震災から5年経ったとはいえ、十分に復興がなされたとは言い難い現実があり、未だに不自由な生活を強いられている方々もいらっしゃいます。震災による精神的ダメージが大き過ぎたことで今でもフラッシュバックや不安感にさいなまれ、日常生活をうまく送れないという方もいます。不妊治療は受ければ必ず妊娠できるというものではなく、精神的・身体的負担が大きい治療です。私費診療のため高額な医療費もかかります。それでもなお、震災を経験したことで命の連鎖に加わりたいと希求され、治療への取り組みを強化された方も多くいます。今年4月の熊本地震でも大きな被害がもたらされたように日本各地で様々な自然災害が起こっており、誰もが同様の経験をする可能性があります。
そこで本学術集会では、甚大な自然災害に際して生殖看護に携わる私たちは何をすべきか、東日本大震災における経験や教訓を共有し、皆さんとともに考えていく機会となるよう企画しています。基調講演では、スズキ記念病院理事長の星和彦先生に「東日本大震災が岩手県・宮城県・福島県の生殖医療に与えた影響」と題してご講演いただきます。シンポジウムでは「東日本大震災の経験を通して考える、これからの自然災害への備え」と題して、医師・胚培養士・看護師・不妊カウンセラー それぞれの立場からご発言を頂き、討論を深める予定です。
少しでも興味をお持ちになられた方は是非、本学術集会にご参加下さい。参加事前登録は8月19日(金)までとなっております。詳しい情報は、第14回日本生殖看護学会学術集会HP http://www.jsfn14.com/ をご覧ください。どうぞよろしくお願いいたします。
次回は救急看護認定看護師の設楽恵子さんです。お楽しみに!