2015.04.20
みなさんこんにちは。新生児集中ケア認定看護師の加藤早奈恵です。
日差しが徐々に柔らかくなり、仙台にも春の足音が聞こえてくる季節となりました。新年度が間近に迫り、私自身、新しいスタッフとの出会いを楽しみに過ごしています。
私は現在、西6階病棟の新生児集中治療室(NICU)・継続保育室(GCU)に勤務しています。NICU・GCUには正期産と言われる妊娠37週より早くお生まれになった赤ちゃんや、疾患を持っている赤ちゃん、出産後の胎外生活に適応するためのお手伝いが必要な赤ちゃんが入院しています。私たちスタッフは、赤ちゃん自身が持っている生きる力をご両親と一緒にサポートしています。西6階では医師、看護師、産科の助産師、理学療法士、臨床工学技士、心理士、医療ソーシャルワーカー等の他職種が連携し、多角的な視点でサポート体制を日々模索しています。
ここでみなさんに質問です。『赤ちゃんは元気に生まれてきて当たり前!!』と思っていませんか?赤ちゃんは10か月間母親の胎内で育まれ、一つ一つの細胞が脳や心臓、肺、消化器等の体の組織となり、生まれるまでにその役割を果たせるようになります。また、母親の胎内で効率よく血液の循環を回すため、胎児と新生児では大きく異なる血液の流れとなっています。したがって、これらの過程のどこかひとつがうまくいかないと、赤ちゃんは自分の力で生きることが難しくなることもあります。赤ちゃんが生まれてから胎外生活に適応するために、いまどのような状況で、何のサポートが必要かをスムーズに判断し、適切な治療を行うため、新生児蘇生法(NCPR)が考えだされました。私は、当院にいる赤ちゃんを少しでも早く助けることが出来るように、産科の同期スタッフと協力し、NCPRのコースを開講しています。前の記事で成人の蘇生は『循環→気道確保→呼吸』であると述べられていましたが、新生児では呼吸が確立することでほとんどの赤ちゃんの蘇生が可能であるとされており、『気道確保→呼吸→循環』の順番で蘇生を行います。
赤ちゃんは劇的な体の変化に対応することができて初めて、産声を上げることが出来ます。『生まれること』は奇跡であり、色々な人に育まれてこそここまで生きてきたことを忘れずに、私自身これからも過ごしていきたいと思います。
次回は、感染管理の高橋正美さんです。どんなお話が聞けるのか楽しみです。
2015.04.06
みなさん、こんにちは。緩和ケア認定看護師の中條庸子です。
いよいよ、新年度が始まりました。
新しく入職された方、部署の異動など、皆さんそれぞれの新たなスタートを切られていることと思います。
私は認定看護師になって5年目になります。
現在は、西17階の緩和ケア病棟に勤務しております。東北大学病院の一番高い場所にあり、晴れた日のとても美しい泉ヶ岳や七つ森に、患者さんやご家族だけでなく、私たちスタッフも癒されています。
緩和ケア病棟では、がんに対する治療が難しくなった患者さんとご家族に、医師や看護師だけでなく、リハビリ科や歯科医師・衛生士、ボランティアさんなど様々な職種が連携をして、様々な苦痛の緩和し、穏やかに安心して日常生活を過ごせるようにお手伝いをさせていただいています。
下の写真は、3月25日に地域医療連携センターがんサロン「ゆい」主催のミニ講話で「緩和ケアってなに?」というテーマでお話をさせていただいた時のものです。「緩和ケア」はがんと診断された時から、お一人お一人の患者さんの希望やQOLを大切にする考え方で、治療と平行して行われるものです。ミニ講話は今年で3回目となるのですが、毎回実際にがんの患者さんを介護しているご家族などの参加があり、医療者だけでなく一般の方の緩和ケアへの関心の高さを実感します。
今年度も院内のがん看護に関する研修のお手伝いをする予定です。がん患者さんとご家族が、いつでも、どこでも、緩和ケアを受けることができるよう、研修や病棟の実践の中で、看護スタッフの皆さんと一緒に考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次は新生児集中ケアの加藤早奈恵さんです。どのようなお話がきけるが楽しみです。
写真左:ミニ講話「緩和ケアってなに?」の様子
写真右:緩和ケア病棟から見える泉ヶ岳や七つ森
2015.03.26
星陵会教養部編集の「星陵会だより3月号」です。
みなさま、是非ご覧ください!!
「星陵会だより3月号」はこちらです。
2015.03.17
みなさん、こんにちは。がん性疼痛看護認定看護師の齋藤明美です。
現在私は西8階消化器内科病棟に勤務しています。内視鏡や肝生検などの検査・治療が中心ですが、重症膵炎・終末期の患者さんも入院しています。
がんの痛みは診断時から出現し、身体的な痛みをはじめとするさまざまな苦痛が問題となります。私の役割は、患者さん・ご家族が安心して生活が送れるよう身体的な苦痛の治療や今後の不安などを聴き、スタッフと一緒にお手伝いさせていただくことです。また、疼痛緩和に難渋する場合は、スタッフや主治医と相談し緩和ケアチームへのコンサルトを行い、疼痛緩和をおこなっています。緩和ケアチームなどの他職種の介入は、私も含めスタッフの疼痛緩和に対する勉強をする良い機会となっています。
話は変わりますが、緩和的リハビリテーション(以下緩和リハ)という言葉を聞いたことがありますか。リハビリというと機能回復と思いがちですが、緩和リハは機能回復ではなく患者さんの希望を尊重し、QOLの高い生活を送れるよう現状維持・リラクゼーションなど症状緩和に繋がるリハビリのことです。7~8年前緩和ケア病棟勤務になった頃緩和リハという言葉が聞かれ始め、緩和リハとはどんなリハビリか効果はあるのかと疑問がわき、緩和ケア病棟の先輩に相談し「調べてみる?」が「研究する?」へと変わり、保健学科の先生と共に研究をおこないました。結果、緩和リハは、日常生活に合わせた関節可動域訓練やマッサージなど患者さんの出来る事や希望に添い行われ、患者さんができないことが増えていく中で、リハビリというできることがあるということや気分転換になったなど有用性を知ることができました。その後もいろいろな角度から緩和リハの研究が続けられ、今年度も東北緩和医療研究会や今年2月末に開催された日本がん看護学会で発表していただきました。
これからも患者さんやご家族が痛みなく安心して日常生活が送れるようお手伝いができるよう努めていきたいと思います。
写真(左)院内勉強会の様子です。
写真(右)今年度東北緩和医療研究会で発表し「奨励賞」を頂いた時のメンバーです。
次は、新生児集中ケアの加藤早奈恵さんです。どんな活動をしているのかとても楽しみです。
2015.03.02
こんにちは。救急看護認定看護師の設楽恵子です。
私は、集中ケアの須東師長さんと同じ時期に東京都清瀬市の認定看護師の研修学校に通い、2004年に認定審査に受かってから5年に一度の更新審査を2回受けました。10年経ち、最近は毎日があっ・・・という間に、本当に早いものです。昨年の2回目の認定更新審査後に日本看護協会から頂いたのが写真のバッジとカードです。このバッジ、よくみるとルビーの石が埋め込まれているのです(見えますか?)。受け取ったときは「更新審査ってやっぱり大変だわ」と更新審査受審のために書類作成した日々を思い出しました。
院外での活動を活発に行っていた最初の5年に比べて、5年目以降の活動量は抑え目にして院内研修の担当、BLS講習、原稿執筆などをしています。自分自身の結婚・出産で仕事のスタイルは変わりましたが家族の協力を得てやりくりしています。子育てって大変ですね。
さて、「救急看護」という言葉を聞いてみなさん何を思い浮かべますか?テレビでは「救急車で重症外傷患者が搬送されてきて外来で処置介助をする」「患者がヘリ搬送されてくる」などでしょうか。そのような状況もありますが私は「看護師が急変に遭遇したときに、適切な判断と救命技術により安全な看護を提供できるようになってほしい。どの部署でも必要な看護」と思っています。救急蘇生のガイドラインをみなさんご存知ですか?5年毎にエビデンスをもとにガイドラインが更新され、今年がちょうど更新の年になっています。2005年のガイドラインから2010年のガイドラインの変更は「蘇生はC(循環)→A(気道)→B(呼吸)の順番で行う」という大きな変更がありました。より胸骨圧迫心マッサージを早く開始することが推奨されたからです。2015年の救急蘇生ガイドラインが更新された際には、みなさん新ガイドラインのBLS講習を受講して自信を持って急変対応をしましょうね!
~お知らせ~平成29年から宮城県もドクターヘリ事業が始まります!
(左はルビー石のバッチです)
(右の写真はアメリカ心臓協会 BLS ヘルスケアプロバイダー講習の風景で、乳児に対する医療者2人による胸骨圧迫と人工呼吸の様子です)