2016.03.14
こんにちは。小児救急看護認定看護師の竹森加菜子です。現在は東西5階病棟の小児医療センターで勤務をしています。認定看護師になり早10年が経とうとしていますが、小児救急看護認定看護師は2006年に新設された認定分野で、認定看護師数がやっと200名を越えた分野です。
小児救急看護というと救命センターなどに運ばれてくる緊急性の高い小児患者を思い浮かべる方も多いと思いますが、実際そのような緊急な方はごくわずかというのが小児救急患者の特徴の1つです。大多数は発熱や嘔吐・下痢、それに伴う脱水など軽症ですが、核家族化が進み、自宅での子どもに対する養育者のホームケア能力が低下しており帰宅後どのように過ごしたらよいのか、どのような状態になったら再受診したらよいのかなど細かな家族支援が必要になるケースが増えています。インターネットや育児書による情報過多により養育者が不要な不安を抱えている場合もあります。必要な情報を提供し余計な不安を除くことも看護師に求められるようになっています。
小児患者はもちろん小児科病棟に入院している場合が多いのですが、小児全般を考えると各科に分散し、様々な科、そして病棟に入院しています。小児患者に対し苦手意識を持っている方も多いと思います。コミュニケーションがうまく図れない、バイタルサインの測定が不安など・・・急変時の対応だけでなく日常ケアの中で戸惑うこともあるのではないでしょうか?小児救急看護認定看護師として子どもへの接し方や処置の介助など、軽微なことでも看護者として「どうしたら良いのだろう」と感じることがあったら、ぜひご相談ください。看護師の皆さんの小児に対する苦手意識が少しでもやわらぎ、「子どもに接するのって楽しい」と思っていただければ良いなと感じています。
次回は小児専門看護師の谷地舘千恵さんです。私と同じく東西5階の小児医療センターで勤務していますが、認定と専門では子どもたちを看る視点が異なることもあり、私自身良い刺激を受けています。どんな話が聞けるか楽しみです。
2016.03.03
みなさん、こんにちは。認知症看護認定看護師の田中陽子です。現在老年科、腫瘍内科、消化器内科の混合病棟である西15階病棟に勤務しています。認知症の方との出会いもたくさんあります。入院という環境の変化はとても大きなストレスとなってしまうため、はじめはみなさんとても不安そうにされていますが、沢山お話を聞かせて頂くなかで、その方の魅力に触れ、優しさに触れ、ときに元気まで頂いてしまう、そのような仕事です。認知症看護認定看護師となった今も、まだまだ学ぶことが沢山あり、認知症の方は、言葉や、言葉を超えたコミュニケーションを使って、大切なことを私に教えてくれます。
認知症は、日常生活や社会生活に支障をきたすようになってはじめて診断されます。もしも今後、日常生活や社会生活がより便利になるような技術開発がされたならば、もしかして認知症と診断されなくて済んでしまうかもしれません。そうなったら、「老い」に対するイメージも、今とは全く違うものとなるでしょう。認知機能が低下しても、誰もが安全に、安心して、自分の希望どおりに暮らすことができれば、どんなに幸せなことでしょう。
最近、世の中で起こる様々な出来事に触れ、私たちがどのような社会でどう老いを迎えたいか、皆で考えていく、そのような時期に来ているのではないかと感じます。皆が希望を持って、明るい「老い」を想像し願うならば、その夢はきっと叶うのではないでしょうか。私たちにとって、「老い」は必ず訪れるもので決して遠い未来ではありませんが、できれば「老い」を迎えてもなお、楽しく過ごせるものであって欲しいものです。そのためにも、今から頭を柔らかくして、技術の進歩によって価値観をひっくり返されても動じない度胸を身に付けておきたいものです。
次回は、小児救急看護認定看護師としてご活躍されている竹森加奈子さんです。
2016.02.18
みなさんこんにちは。小児看護専門看護師の井上由紀子です。かんごぶろぐ2回目の登場になります。
前回は,昨年の小児看護学会での活動「みんなで創る臨床カンファレンス-身近な事例から倫理的実践へ」のグループ討議ファシリテーターとして参加したことについて紹介せていただきました。今回も同じ「倫理」がテーマになってしまいますが,仙台市内の病院で「看護における倫理とは」という講義を担当した際のことを紹介させていただきます。
みなさんは臨床場面で「あれ?おかしいな」と感じることはありませんか?
色々な場面で「これっていいのかな?」とモヤモヤ感を抱えることは少なくないと思います。講義では,このモヤモヤを少しでも解消できるように,まずは「倫理」とは何か?というところからはじめ,私がこれまでに経験した倫理的課題をもった事例を紹介しました。
受講者からは事例を聞いたことでより「倫理」を身近に感じてもらえたという感想をいただき,私自身,事例報告の大切さも感じました。
講義終了時には,講義担当の方や受講生の方から日々のモヤモヤしていることの質問を受け,施設は違っても看護師が悩んだり,困っている内容は同じなんだと改めて思いました。
倫理的課題の解決は,「あれ?おかしいな」と感じることからはじまります。
そのような感覚を持ったら,一人で悩まずに上司,先輩,同僚がとても力になると思うのでカンファレンスをしてみましょう。看護スタッフが一丸となって患者様のケアに取り組みたいものですね。そのメンバーの中に,専門看護師を加えていただけると嬉しいです。
次回は認知症看護認定看護師の田中陽子さんです。
2016.02.01
みなさん、こんにちは。緩和ケア認定看護師の大沼美智子です。
現在は東7階病棟(婦人科、乳腺外科)に勤務しています。また、院内のがん看護に関する研修のお手伝いをさせていただいています。
東7階病棟には、がんの治療(化学療法、放射線療法、手術療法)を受ける方々が多く、不妊治療のために入院される方もいらっしゃいます。また、がんの終末期の患者さんも多く、最後まで治療を続け、意思疎通ができなくなり、退院や転院ができずに、ひと月に1~3名の方が病棟で亡くなっています。その中で、患者さんとご家族のQOLが維持・改善できるよう、病棟スタッフと一緒にケアを実践しています。
写真は、1月21日に行われた、AOBAナース・プログラム上級1(がん看護コース):「現場で学ぶがん看護」の様子です。
今年度は8名の方がこの研修に参加されました。目標は「がん看護の実際を体験し、理解を深める」とされており、研修内容は、タイトルの通り、受講者が「現場に出向いて体験して学ぶ」となっています。体験する「現場」は、緩和ケア病棟、化学療法センター、放射線治療部門、緩和ケアチーム、がん看護外来の5部署のうち、2部署を体験します。
参加された受講者の方は、自部署と違った現場を実際に体験することで、普段の看護の振り返りとなり、机上では得られない学びとなったではないでしょうか。
参加されたみなさん、大変お疲れ様でした。来年度は引き続き上級2にステップアップしてください。
これからも、がん看護コース上級1・2に進む方、今後がん看護について学ぼうとされている方みなさんを、私たち、がん看護専門スタッフ(がん看護専門看護師、乳がん看護、がん性疼痛、放射線療法看護、化学療法看護、緩和ケアの認定看護師)がサポートしていきます。
それから、がん看護コースAOBAナースが誕生しますので、その方達と協力し、院内全体のがん看護のスキルアップにつなげていきたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。
次回は、小児看護専門看護師の井上由紀子さんです。
2016.01.20
集中ケア認定看護師の上溝です。早いもので2014年7月から始まった当院の認定・専門看護師で綴るブログリレーも2巡目に入りました。この間にも新たな認定・専門看護師の方々が増え、現在当院では認定16分野34名、専門4分野9名の認定・専門看護師が活動しています。
自分が勤務しているNICU・GCUでも、自分の他に新生児集中ケア2名の認定看護師が活動しています。それぞれ日々の実践活動に加え、新生児への痛みのケアや出生前訪問、NICUを卒業した児との関わりなど、児と家族にとってよりよい優しいケアが提供できるよう取り組んでいます。
お互いの活動内容や活動状況がわかるようにと、NICU・GCUの認定看護師が3人に増えた頃から毎月集まって活動報告会を開催しています。そこではお互いの活動状況の他、最近のケアで気になっていることや、今後の活動計画なども合わせて話し合っています。また認定・専門看護師会での議事の確認や諸連絡などもその場で行うようにしています。雑談も多くなりがちなのですが、それぞれが考えていることや、なんとなく気になること、取り組みたいことなどが共有でき、また相談できる大切な場になっています。自分としても若い二人から学ぶことも多く助けられています。
メールなどのやりとりが主流になっている最近ですが、こうして顔と顔を合わせて話をすることは文字だけでは伝わらない、多くのことを感じさせてくれるよい機会になりますね。今後もこの場を継続し、お互いがそれぞれの活動の支援をしているこの関係を大事にしていきたいと思っています。写真は昨年最後の集まりの様子です。二人との年の差は10歳近くあるのですが、できる限り年の差を感じないように必死に会話についていくのですが、顔と顔を合わせて話をすることは文字だけでは伝わらない世代のギャップまでも痛烈に感じさせてくれるものです(笑)
次回のリレーは大先輩、優しい笑顔がいつも素敵な緩和ケア認定看護師の大沼美智子さんです。