2015.09.01
手術看護認定看護師の軍司希です。はじめまして。
現在は整形外科病棟に勤務しています。「手術看護」といっても手術室の中だけがテリトリーではなく、周術期という手術前後のケアも手術看護分野の対象になります。現在勤務している病棟では、麻酔の知識や周術期合併症を防ぐケアの提供・スタッフへの指導を行っています。
外科病棟では麻酔になじみがあっても、「硬膜外麻酔とかや腰椎麻酔とかいろいろな方法があって違いがよくわからないし・・・でも手術中だけのものでしょ?」と思っていませんか?局所麻酔でも場合によっては命に関わる重大な合併症もありますので、「それなに!?」「ちょっと不得意だな・・・」と思ったら、お声がけください。病院であれば麻酔はどこででも使われるものなので、確実に役立つ知識になります!!麻酔がわかると観察の視点が変わってきますよ。
最近の出来事としては、前回の皮膚・排泄ケア認定看護師、渡邊さんの記事に紹介がありました褥瘡学会に行ってきました。手術で褥瘡?と思うかもしれませんが、手術を受ける患者さんは術中同一体位が求められるため、同一部位への圧迫が避けられません。栄養状態が悪かったり、手術操作で血流が悪くなったりすると、短時間の手術でも褥瘡になってしまうことがあるので、予防がとても大切なんです。褥瘡学会は初めて参加したのですが、医師・看護師・薬剤師・PT・企業など多職種が集まり、出店やスタンプラリーなどのアトラクションもあるとても大きな学会でした。手術室では予防という視点で見ていましたが、病棟では治療という視点もあるので、基本的なところからの学習になりましたが、初めて聞く言葉などもあり、とても勉強になりました。また、医師や企業が参加する学会は、演題も看護とは全く違った視点で、研究方法や発表方法も参考になるので、みなさんにも参加をおすすめしたいです。
最後に学会つながりで・・・
来年度になりますが、平成28年10月に手術看護学会が仙台国際センターで開催されます。褥瘡学会ほど盛大にはいきませんが、東北地区の手術看護認定看護師が企画する教育セミナーもありますので、興味のある方は是非ご参加ください!
次回は、急性・重症患者看護専門看護師の松井憲子さんです。
2015.08.20
こんにちは。皮膚・排泄ケア認定看護師の渡邊涼子です。
皮膚・当院の皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN)は5名、それぞれ病棟や外来でケアを行っています。今回は当院外来WOCセンターでのケアの様子についてご紹介したいと思います。
排泄ケア認定看護師の拠点は食堂の向かいの外来2階WOCセンターです。WOCセンターには1名のWOCNが配置されていますが、今年度4月からは週5日のうち水・木・金の3日間、病棟所属のWOCNのうち3名が曜日毎に外来でケアを行うことになりました。水・木曜日は胃腸外科外来日のため、胃腸外科のストーマ患者さんの予約が多く入っています。金曜日は胃腸外科・泌尿器科・婦人科のストーマ患者さんのほか、各病棟の褥瘡・ストーマ・スキントラブルケアの往診を行っています。6月からはストーマ造設予定の患者さんへの術前説明も始めました。
ストーマを造設した患者さんは病棟で基本的なストーマケアを習得して退院しますが、退院後、腹部の形やストーマに変化が生じ、スキントラブルにつながる場合があります。トラブルが起きると、使用していたストーマ装具が合わなくなることもあります。このため外来では変化に応じたケアを提供してトラブル予防や悪化を防止し、患者さんがストーマと共に快適に日常生活を過ごせるようサポートしています。また患者さんも入院中から自宅の生活に変化し、新たな疑問や不安が出てきます。退院後も定期的にWOCセンターを受診することは患者さんにとってはケア方法や生活上の不安を相談する機会、また私たちWOCNの側でもケアの見直しや製品などの情報を伝える大切な機会となります。
WOCセンターでは7月から新たな試みとして毎週金曜に新生児集中ケア認定看護師と連携し、皮膚が弱くスキントラブルを起こしやすい赤ちゃんたちのいるNICUの定期ラウンドを開始しました。小さく産まれた赤ちゃんたちですが生命のエネルギーが溢れていて訪問するたび私たちもパワーをもらえる感じがします。
今私たちWOCNの外来でのケアや新しい取り組みについて書いてみました。WOCセンターがどんなところかイメージしていただけたらうれしいです。
最後にひとつご案内です。来週8/28、29に仙台国際センターで日本褥瘡学会が開催されます。市民公開講座は無料で聴くことができます。会場まで無料シャトルバスもありますので興味のあるかたはぜひお越しください。詳細は院内ポスターや日本褥瘡学会HPをごらんください。
次回は手術室看護認定看護師の軍司希さんです。お楽しみに…!
2015.08.11
今年の仙台の夏は、とっても暑いです!皆様体調など崩していないでしょうか?
こんにちは、皮膚・排泄ケア認定看護師の高橋真紀です。外来のWOCセンターで勤務しています。
15~16年前まで褥瘡ができてしまうのは「看護の恥」と言われていましたが、今は「病院の恥」と言われるくらい、全国的に褥瘡予防・褥瘡治療を組織的に取り組むことが標準になっています。しかし、組織的に取り組んだ時に、看護師の役割がわかりにくくなる事がありませんか?ちょっと立ち止まって、褥瘡予防・ケアの看護師の役割について考えてみましょう。看護師は患者さんの一番近いところにいると言われています。患者さんの日常生活の中での変化に気づき、患者さんに必要な褥瘡予防・ケアをタイムリーに提供できるのが看護師だと思います。そして、必要時、組織として動いている褥瘡回診を活用し、患者さんへより良いケアを提供できる環境を整えることも看護師だからこそできることだと思います。
今回、少しだけ褥瘡回診をご紹介します。褥瘡回診は毎週火曜日の午後に行っています。形成外科医師は局所の治療方針、理学療法士は患者のポジショニングやリハビリ状況、医療ソーシャルワーカーは退院支援状況、皮膚・排泄ケア認定看護師は問題点や回診時の確認事項を提示し、その日に回診する患者さんのカンファレンスを行い情報共有してから病棟へ向かいます。カンファレンス内容はWOCセンター所属の看護師が記録して残しています。次に病棟で実際にケアを行い、病棟看護師さんへ褥瘡の状態を評価した内容とケア方法の説明をします。また、退院予定の患者さんの場合は、病棟の看護師さんと一緒に退院先(自宅、施設、転院など)に合わせて必要な準備について検討します。褥瘡回診から戻ってきてからは、患者さんの褥瘡経過記録の記入などを行います。褥瘡回診がどのように行われているか、少しイメージできましたか?もっと詳しく知りたくなった方は、いつでもWOCセンターにご連絡をください!
最後に・・・
今年も10数年開催しているWOCセミナー初級コースを、当院の皮膚・排泄ケア認定看護師は5名で行っています。それぞれが個性豊かに頑張っていますので、よろしくお願いします!
(5人で手文字をしていますが、わかりますか?)
次は、同じ分野の皮膚・排泄ケア認定看護師の渡邊涼子さんです。皮膚・排泄ケア分野は幅が広い分野ですので、今回とはまた違うお話を聞くことができると思います。お楽しみに~♪♪
2015.07.29
星陵会庶務部編集の「星陵会だより7月号」です。
みなさま、是非ご覧ください!!
星陵会だより7月号はこちらです。
2015.07.22
みなさんこんにちは。集中ケア認定看護師の須東光江です。
わたしが集中ケア認定看護師になってから今年で11年が経過します。この10年の間で、ICUで行われる患者さんの看護は大きく様変わりしています。
たとえば術後の一場面では・・・
10年前であれば術後は『安静第一!』とばかりに、ベッドに横になっている患者さんが当たり前のICUの光景でした。しかし、現在は術後早期からのリハビリ介入が積極的に行われ、手術翌日にはベッドの脇に立つことまでできるようになりました。また、人工呼吸中の患者さんも、呼吸器が付いている間は鎮静剤で眠らされているというイメージを持つ方も多いと思いますが、最近は人工呼吸中でも患者さんは目を覚まして、看護師の問いかけに返答したり、筆談で会話までできるかたも増えてきています。これは、早期離床が術後の患者さんの回復や生命の予後に良い結果をもたらす、ということが明らかになってきたためです。大学病院の医療は日々最新の知見に基づいて行われます。急性期の医療も日進月歩で変革しているのです。
とはいっても、術後の患者さんは状態が不安定であり、急変する可能性もゼロではありません。ですからICUでは、患者さんのちょっとした変化を見逃さず、常に安全に気を配り、異常時には速やかに対処できるようたくさんの看護スタッフが患者さんの側で見守り看護を行っているのです。わたしたち集中ケア認定看護師はそのような急性期の患者さんに関するアセスメントの根拠や、集中治療における最新のケアの基準などについて、ICUをはじめ病棟の看護師の方々に情報提供をしながら、患者さんの1日も早い回復を願ってお手伝いしています。
重症な患者さんが治療している重々しい空気の漂うICUを想像している方がいらしたら、ぜひ一度ICUに足を運んでみてください。そこには、患者さんを中心に、明るい笑顔あふれる看護の日常があるはずです!
次回は当院の認定看護師の大先輩である、皮膚・排泄ケア認定看護師の高橋真紀さんです。どんなお話がきけるかお楽しみに♪