看護キャリアプロモート支援システム開発 > 概要

概要

「看護キャリアシステム構築プラン」は近年の医師不足等に対する医療の問題や役割拡大の期待への対応として、
看護職の人材育成システムを確立する取り組みを支援する事業です。
文部科学省における大学教育改革の支援事業では、初めて看護職を対象とした事業になります。

看護職のキャリア開発

看護職のキャリア開発・図

学生時代から生涯を通じてのキャリアパス構築を支援します

背景:なぜこの取り組みをするの?

  • 高度先進医療の拡大や医療技術の高度化、医師の過重労働などの問題への対応として、
    看護職の役割や能力向上に対する期待の高まり
  • 看護職の教育は体系立てられたシステムがないまま厳しい勤務状況の中で指導者個人の工夫や努力に依存
  • 教育指導がキャリアとして評価されない体制
  • 育成課程との連携の乏しさ

上記を背景として、今後大学病院において、体系立てられた看護職の教育体制を構築することにより、看護職に対する臨床研修及び育成課程における基礎教育の質の向上を図ると同時に、高度医療に対応できる看護職の育成を効果的に行うことが期待されています。

事業目的:なにをするの?

大学病院と自大学看護部等が連携して臨床研修体制・方法を、学問的検討を加えながら開発することにより、看護職の効率的・継続的な専門能力の習得と向上が図られること、また生涯を通じて看護職が活躍し続けられるキャリアパスを明示することにより、国民に対する安心・安全な医療提供体制の構築に資することを目的としています。

申請要件どんな病院が選ばれたの?

【病院の要件】

  • 大学病院本院であること
  • 平成21年3月31日までに7対1入院基本料を算定していること
  • 看護学部等を有していること

【プランの要件】 以下を全て満たすこと

  • 様々な経験段階にある看護職が、効率的・継続的に専門能力を習得・向上を図れるための、
    指導技術等を学問的に検討したプログラムを開発すること
  • 臨床研修において教育技術を持つ教育指導者を育成すること
  • 病院看護部と看護学部等が人事交流などにより緊密に連携し、基礎教育にフィードバックできること
  • 看護職に対するキャリアパスを構築・提示し、個人の能力向上を図ると共に、
    組織の充実・発展及び医療への貢献にも繋がること

申請要件を満たす全国60大学のうち48もの大学から申請があり、8大学の取り組みが選定されました。当院は、「看護キャリアプロモート支援システム開発〜臨床看護師の教育力向上とキャリアパス構築支援〜」という事業で選定されました。

選定理由:ここが評価されました

 自施設のクリティカル分野における豊富な人的資源をフルに登用し、社会に求められる医療・看護の先見も踏まえて、発展性を持って計画されており、開発には、看護部、保健学科、医学教育推進センターが参画しており、研究的視点を持って学問的検討がなされることも期待できる。

 また、教育プログラムの中で教育技術の習得法の開発も併せて計画されており、これらの標準化による成果も期待できる。また、看護教員が年間担当教育時間の5%を臨床研修に充てるという計画も特徴的であり、これにより、教員の看護技術の維持やリスク回避はもとより、教育方法の変化が期待できる。

 一方、キャリアパス構築においてキャリアアップ、マネジメント領域の適性や将来像を考慮した自己選択プロモートを実現させるために、本人の希望と適性を融合させるための具体的方法、パスのバリエーションの設定、相談機能を有するスタッフ養成等に取り組まれる事にも期待したい。

※平成21年度「看護職キャリアシステム構築プラン」選定取組の概要及び選定理由 より